和のたしな美ブログ
Feb 19, 2017

おもてなしの言葉6「ほんのお口汚しですが」

日本には謙遜の言葉がたくさんありますね。

この言葉もその一つです。

「ほんのお口汚しですが。」

今この言葉を使える人がいるでしょうか。

「お口汚し」というのは、口の中を汚すまずいものという意味ではなく、

口の中を汚すだけのほんのわずかな量ということです。

お土産を人様に差し上げるとき、

お酒の肴としておつまみを出すとき(大皿ではなく小皿料理)、

「ほんのお口汚しですが。」

と、使ってみたいですものね。

こういう言い方もありますね。

簡単に、「お口汚しですが。」

前回ご紹介した言葉、「お口に合いますかどうか・・・。」

そう言いながら、

大切な年長者や目上の方にお渡ししたら、

お口に合わないかもしれませんが、

どうぞ召し上がってくださいませ、

という謙遜を込めた表現になりますね。

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お着物を着て相手の方のお宅にお伺いする際、

座敷で風呂敷の包みを開いて、

相手の方に菓子折りをそっと差し出す時、

「ほんのお口汚しですが」と、ひと言。

そんな日本の古来の風習の光景が目に浮かびますね。

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同世代の友達に使うにはちょっと不向きかもしれません。

でも、知っておくと、いざという時には

さりげない奥ゆかしさを発揮できると思いますよ。

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謙遜、相手に対してへりくだるという心を大切にする風習が薄らいできている昨今です。

真心を伝える素直さ、相手の心遣いを理解する心のゆとり、

それはやはり日本人の美徳の一つだと思います。
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Feb 14, 2017

おもてなしの言葉5「お口に合いますかどうか」

皆様、おはようございます。

昭和の時代までは、女性は花嫁修行としてお茶にお花・・が必須といわれ、

人を家にお招きするのがごく普通のことでした。

現代はホテルなどの非日常の場所で集うことが多くなりましたね。

 

ですから、家庭にお客様をお招きして、手料理でおもてなしをする機会も少なくなりました。

 

「お口に合いますかどうか・・・」

 

そんな言葉もそういえばあったなあ~という程度で忘れ去られているように思います。

お客様の味覚に合うかどうかわかりませんが、

もてなす側としては、精一杯のご馳走をご用意いたしました。

 

目には見えませんが、下ごしらえにも心をくだきました。

その結果はいかがでしょうか。

お客様がどのように感じてくださるか、不安半分、緊張半分の心持ちです。

 

「お口に合いますかどうか・・・」

 

と、そんなシチュエーションで言われたら、

客人は、もし仮にそれが自分の好みの味ではなかったにせよ、

私のために用意してくださったのだなあと、

心から幸せな気持ちになります。

客人をもてなすご亭主の心配りにありがたいなあという思いにかられます。

まさにそれがお茶事の根本であるともいわれています。

「お口に合いますかどうか・・・」

 

何でもいいのです。

一品でも、心を込めて、手作りのものでお客様をお迎えしてみませんか。

 

 

 

Feb 11, 2017

新年会・そして4周年を迎えて

皆様、おはようございます。

おかげさまで、”和のたしな美塾”は今年2月で4周年を迎えました。

新年会を迎えると、今年も新たな年が始まるという清々しい思いになります。

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今年も和のたしな美庵での新年会を121日に開催させていただきました。

おかげさまで、今年の新年会も素晴らしい会になりました。
ご参加くださいました皆様、ありがとうございました。

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昨年は池波正太郎の『鬼平犯科帳』より新春にふさわしく江戸料理を、

料理家石川昭子さんをお招きして皆様にご堪能していただきましたが、

今年はアットホームな雰囲気の中で、落語家のお噺で初笑いをさせていただきました。

和のたしな美塾ではおなじみの橘ノ百圓師匠においでいただきまして、

「初天神」と「文違い」の二席をお楽しみいただきました。

 最近NHKの『超入門!落語THE MOVIE』も大変人気だそうですね。

人物や情景を想像しながら、江戸庶民の暮らしや文化に触れるのはまた楽しいひと時です。


お料理をご担当していただきましたのは、美と健康を大切にされておられる管理栄養士でもある総合美容家の峰順子先生、 清藤静香んほか。

美味しさで皆さんのお顔から笑みがこぼれっぱなしでした。

奥様とご一緒においでくださいました宮西宏幸さん

いい写真をたくさん撮ってくださったのは園田誠一郎さん。

裏方を担当してくださった 西辻恵美さん、 田中祥一さん。

皆様のご協力によって、とてもいい新年会になりました。

どうもありがとうございました。

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冒頭に申し上げましたように、

“和のたしな美塾はおかげさまで今年で4年目を迎えました。

アインシュタインが日本人に接し、

 我々は神に感謝する。

    我々に日本という

   尊い国をつくっておいてくれたことを

と語ったといいます。

日本人の特異な気質、調和を愛する心根こそ、

混迷する世界情勢の中でなお一層真価を発揮していくことと思います。


和のたしな美塾の活動には、

世界の安寧を願いながら、

天地自然の中で生かされていることへの感謝、

すべて命あるものとして共に生きていることを大切にしていく、

それが根底にあります。

その思いは当初から変わりません。

その思いは強くなっていくばかりです。

今年も皆様が命を輝かせてご活躍なさることをお祈りしております。

お時間がございましたら、是非遊びにおいでくださいませ。

 

Feb 1, 2017

おもてなしの言葉4「どうぞごゆるりと」

飲食店や喫茶店に入ってお茶を出された後、

「どうぞごゆるりと」とか、

「どうぞごゆっくり」と言われると、

ほっとする気持ちになりますね

日本語は不思議です。

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「ゆ」とつく言葉には、何かリラックス効果のある言葉がたくさんあります。

「ゆっくり」「ゆるやか」「ゆとり」「湯」など、

副交感神経を休めるような、そんな言葉がたくさん散りばめられています。

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そこに「ご」とか「お」をつけて日常の中で使っているのです。

「ごゆるりと」で、手足を伸ばしてくださいと、

「ごゆっくり」で、時間に制約はありませんよと、

そんな相手の思いが伝わってきますね。

どちらも、言われると嬉しくなる、致される言葉です。

お店が混雑していて接客にも大変だろうなあと思いながらも、

この言葉を耳にすると、ああ、しばらくここでくつろげるなあという気分になりますね。

言葉というのは、本当に不思議なものです。

自分でも、相手のために、早速今日から使ってみましょう。

相手の方もきっと癒されることでしょう。

現代人には、忙しいからこそ、より一層この言葉を使ってほしいものです。

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Jan 26, 2017

おもてなしの言葉3「どうぞお上がりください」

我が家へお客様をお迎えするとき、

「どうぞお上がりください。」

と言いますね。

丁寧な言葉です。
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玄関で履いている履物を脱いでいただき、

一歩、二歩と上がり框(かまち)から上がってくださいと、

そんな意味も込められていますね。
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「どうぞお入りください。」というのも

よく使われる言葉ですが、

これは履物を履いたまま入っていただく、

お店や事務所、会社などにふさわしい言葉ですね。

外国では靴を履いたまま個人宅に入りますので、

この言葉のほうがしっくりきます。

 

さて、お客様に親しみと歓待の思いを込めて、

「どうぞお上がりください。」と、

さらりと言えるようになりたいものです。
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Jan 22, 2017

おもてなしの言葉2「ようこそ、お運びくださいました」

空港で外人さんをお迎えする言葉。

「ようこそ、日本へ!」

空港でよく見かけますね。

帰国してきた日本人でさえ、嬉しくなります。

 

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 お客様をお迎えするとき、

「ようこそ」に続いて「おいでくださいました。」

というのが最初のおもてなしの言葉ですね。

「ようこそ、おいでくださいました。」

「ようこそ、いらっしゃいました。」

 

さらに、こんな歓迎の言葉もあります。

「ようこそ、お運びくださいました。」

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「お運び」には、遠方より足をここまで運んでくださった、その労力や時間、費用など全部をひっくるめて感謝とねぎらいの気持ちを表す言葉です。

ここまで来てくれるのは当然でしょうなどという思いは微塵も感じさせません。

ただただ相手を思いやる気持ちのみです。
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「本日はお足元の悪い中」というふうに、雨や雪の日には言いますね。

 

防寒をし、傘を差しながらも 衣服や履物などを濡らし、

時間を割いて、ここまでおいでくださった、なんてありがたいことなんだろうという思いが込められていますね。

昨日は”和のたしな美塾”の新年会でした。

大寒が過ぎ、寒さもひとしお、そして雨や雪も懸念されましたが、

お天気に恵まれてほっと胸をなで下ろしました。

年に一度の行事にわざわざ足を運んでくださる皆様には心から感謝しています。

ありがとうございました。

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どんな方に対しても、心のこもった歓迎の言葉

「ようこそ、お運びくださいました。」を使いたいものです。

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後日お礼状には、

「ようこそのお運び、厚く御礼申し上げます。」

なんて、さらりと書けたら、かっこいいですね。

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番傘

 

Jan 10, 2017

おもてなしの言葉1「お待ちしていました」

「もてなし」の丁寧語は「おもてなし」

 

この言葉はオリンピック招致のプレゼンの時の滝川クリステルさんによって、

本当に有名になりましたね。

「お」「も」「て」「な」「し」のジェスチャーも流行しました。

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「おもてなし」は「表がない」ことに通じます。

「裏表がない心」を表します。

 

ということは、真心を持って相手を歓待する誠意をそのまま表現することになります。

それは日常のごく普通の心のあり方にも通じるように思います。

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お客様を迎える時の言葉

 「お待ちしていました。」

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お茶のお稽古に出向いて、師匠の前で「今日もよろしくお願いします。」と

一礼するときに、いつも 「お待ちしていました。」と、

 この言葉をおっしゃってくださいます。

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ああ、待っていてくださったのだなあと、毎回この言葉を聞くたびに感激します。

電車を乗り継いで、やっと辿り着いた師匠の家で最初に語りかけてくださる言葉。

 

  「お待ちしていました。」

 素敵なおもてなしの言葉です。

 

人は真心のこもった言葉によって癒されますね。

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Jan 9, 2017

江戸の女子の成人式には「髪上げ」「島田髷」

成人式、おめでとうございます。

 

振袖姿を拝見するのは、楽しいものです。

一人前の大人として認められる日ですね。

 

かつての男子は元服として15歳ごろ、女子は髪上げとして13歳ごろ行われる儀式でした。

大人になるのを機に、髪型も着るものも変りました。

身も心も引き締まる思いだったのでしょうね。

 

男子は、元服の時に、幼名を改めて大人の名前をつけました。

暮れになると「忠臣蔵」のドラマや映画をテレビで放映しますが、

大石内蔵助の長男大石主税(ちから)が元服するときには、

良金(よしかね)という名前に変わりました。

討ち入りの元禄14年(1701年)12月に元服をして、義盟に加わったのです。

そして間もなくの討ち入りでした。

 

昔の武士の覚悟には言葉も出ません・・。

胸がいっぱいになりますね。

 

刀のさや

 

 

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さて、江戸では、男女ともに3歳までは坊主頭に剃っていて、

3歳の「髪置き」から髪を伸ばし始めたといいます。

男の子も女の子も坊主頭だったなんて・・。

 

 

七五三

 

 

男子は、15歳頃、成人式である「元服」で、仮親が前髪を剃ります。

女子は、12歳から16歳ごろの成人式である「髪上げ」で、

それまでの桃割れなどから島田髷(まげ)に結い上げます。

「十六島田」とも言われるように、

16歳頃から嫁入り前の娘が結うのが「島田髷」でした。

 

江戸時代には、武家、町人、粋筋などの階層や、女子ならば未婚、既婚、後家などみ見た目ではっきりと分かったといいます。

 

娘は結婚が決まると、「お歯黒」を初めてつけます。

人妻になったら、口は真っ黒、髪は「丸髷」にします。

子持ちになると、「眉剃り」をします。

 

「丸髷」「眉なし」「真っ黒な口元」と、娘は見た目も大きく変身していきます。

二十歳前後だというのに、かなりふけた印象になってしましますね。

当の本人もショックを受けたり、周りの人からからかわれたりもしたそうです。

 

お歯黒をつけて娘は野暮になり(柳多留)

 

こんな川柳も生まれました。

 

幕末にやってきた外国人は、日本の素晴らしさを賞賛していましたが、

「お歯黒」だけはどうも好きにはなれなかったようですよ。

 

 

今に生きている私たちは幸せですね。

 

 

 

 

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Jan 1, 2017

江戸の将軍も長屋の熊さん八つぁんも食べたお雑煮とは

皆様、新年明けましておめでとうございます。

 

年末に準備したお餅。

おせち料理とともにお餅をいただくのが日本の習わしです。

お餅を美味しく召し上がっていますか。

お正月のお餅は、

都会では餅屋(米屋)に注文したり、

スーパーでパックになっているものを買ってきたりします。

 

 

昔はペッタン、ペッタンとおじいちゃんが餅をついて、

おばあちゃんがそばで水をひょいと入れていたものです。

あの音は心地よくって、つきたての餅を納豆餅にしたり、

あんこで食べるのが美味しかったです。

ふかしたての餅米も、食べると胃を悪くするよと言われながら、よくつまみ食いしました。

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かるがると上る目出度し餅の杵     高浜虚子

お正月にいただくお餅には、格別の思いがありますね。

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餅つき

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今と違って、江戸の人たちは前の年の12月15日までに餅つきの申込みをしていました。

また、この日までに予約をしないと、お正月の餅は買えなかったということです。

江戸も初めは関西のように丸餅でしたが、

せっかちな江戸っ子は、一つ一つ丸める手間を嫌って、一挙にのして、

包丁で四角く切るようになったようです。

 

 

長屋は一つの共同体です。

大家さんから見れば、店子は子ども同然。親代わりのようなものです。

 

門松だけではなく、お正月用品もおせち料理も共同購入しました。

大家さんの采配で、長屋の住人全員協力したそうです。

 

年末または年始に、大家さんは店子にお年玉を配りました。

それはお金ではなくて、鏡餅でした。

鏡餅が丸い形をしているのは、お年玉の玉に似ているとか、

健康であるために心臓の形に似せたということです。

 

餅つきができるのは江戸市中では大きな商家だけで、

庶民は大家さんにもらった丸餅を台所に飾って正月をお祝いします。

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丸餅
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江戸のおせちもお雑煮も質素でした。

 

おせち料理は日持ちのする煮しめで、酒の肴でした。

お雑煮もシンプルで、

醤油のおすまし汁に、

焼いた四角い餅と小松菜に油揚げ(または鶏肉かかまぼこ)が少しだけでした。

 

どうも徳川家康公が

「貧しかった頃を忘れずに、年の初めにはこれを食べよう」と言ったことに始まって、

代々将軍家ではこのお雑煮を食べていたそうです。

江戸中もそれにならって、同じようにシンプルなお雑煮を食べていました。

 

諸国から大勢の人がやってきて集まっていた江戸で、それぞれの郷土料理としてのお雑煮も食べていたようですが、

一方で、将軍と長屋の住人が同じ質素な小松菜入りのお雑煮を食べて初春を祝していたなんて、

ちょっと微笑ましい光景ですね。

 

ちなみに小松菜は、小松川(現:東京都江戸川区)から、五代将軍綱吉公が命名したということです。

 

皆様も、お雑煮をたんと召し上がれ。

 

 

 

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Dec 31, 2016

江戸っ子も大好きだった七福神巡り

皆様、おはようございます。

 

いよいよ本年の大晦日を迎えましたね。

 

一年間本当にお疲れ様でした。

 

海の向こうからやってきた幸せを呼ぶ神様たち、「七福神」

中国やインドからやってきた神様たちですが、唯一日本の神様は恵比寿天(えびすてん)です。

福徳や商売繁盛を授ける神様ですね。

 

七福神2

 

 

たくさんいる福の神からラッキーセブンの七神になったのは室町時代です。

中国の水墨画に描かれた、竹林に遊び、清談にふける「竹林の七賢」の影響を受けたといわれています。

 

七福神へのお詣りは江戸中期以降に流行しました。

文人、俳人の初春の風雅な遊びとして始まったそうです。

 

「恵比寿(えびす)・大黒天(だいこくてん)・弁財天(べんざいてん)・毘沙門天(びしゃもんてん)・布袋(ほてい)・福禄寿(ふくろくじゅ)・寿老人(じゅろうじん)」を七福神とし、金銀財宝を積んだ宝船に乗って訪れるという絵柄が江戸で大流行となりました。

 

最も古い七福神は、不忍の弁財天、谷中感応寺の毘沙門天、谷中長安寺の寿老人、日暮里青雲寺の恵比寿・大黒天・布袋、田端西行庵の福禄寿です。

 

江戸っ子たちは、おせち料理の腹ごなしをかねて、有名無名にかかわらず、市中の七福神を捜しながら散策を楽しんだのです。

 

笹1

 

 

江戸で人気の神様は、

 

上方資本の多い江戸の店では、商売繁盛の恵比寿・大黒天

 

江戸で生まれ育った職人衆はおおらかな布袋さん

 

布袋さんは、いつもにこにこ、美味しそうにお酒を飲んで、子どもたちには好かれている。

しかも弥勒菩薩の化身ともいわれ、最後の最後に民衆を救いにくるという神様です。

そこが江戸っ子好みだったのですね。

 

武士が好んだのは、煩悩や邪気を払い去り、福徳を授ける毘沙門天でした。

 

どの神様があなたはお好きですか?

 

皆様も年明けに七福神巡りはいかがでしょうか。

 

本年もこの 和のたしな美ぶろぐ をお読みくださいまして、

ありがとうございました。

 

来年はもっともっと素晴らしい年になりますように。

 

よいお年をお迎えくださいませ。

 

 

 

 

七福神3

 

 

 

 

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